Steven Kean

スティーブン・キーン
オアフ島ノースショアを拠点に活動する版画家、美術講師、そしてサーファーです。2008年、海のないペンシルベニア州から力強い波が打ち寄せるノースショアへ移住。海とともに生きる日々の中で制作を続け、十数年前からハワイで木版画を中心に波や海岸線をテーマとした作品を生み出しています。


彼の作品に描かれているのは、単なる波の形や風景ではありません。サーフィンをしているときに感じる波と身体のつながり、海の中に広がる静けさ、そして波と一体になるような感覚。その一瞬一瞬の体験が、一本一本の繊細な木版画の線となって刻まれています。


2017年に「Van’s World Cup of Surfing」の公式ポスターアーティストに選出されたことをきっかけに、彼の作品はハワイのみならずカリフォルニアをはじめとする多くのサーファーやアート愛好家たちから支持を集めるようになりました。さらに2018年からは、ハワイ州文化芸術財団(Hawaii State Foundation on Culture and the Arts)のティーチングアーティストとして活動し、ハワイの若い世代にアートの魅力と創作する喜びを伝えています。


スティーブンにとって、木を彫り、インクをのせ、紙に刷り上げるまでの一つひとつの工程は、完成した作品と同じくらい大切な意味を持っています。版画制作は、サーフィンやハワイの自然の中で感じた感覚や感情を形にするための対話であり、表現のプロセスそのものでもあります。


作品に向き合うとき、そこには海の中にいるときに感じるような深い静けさと、自然とのつながりが息づいています。彼の版画を通して、波の音や潮の香り、そして海そのものが持つ穏やかで力強いエネルギーを感じていただけることでしょう。